anne135のブログ

もうアラサーです。モテないアラサーの独り言。多分フィクションです。多分…。

話題のカップル専用アプリをブスが一人で使ってみた

最近Facebookで友人たちのリア充写真を見ると、

 

ブスだって恋がしたい!!!!

 

という衝動に駆られることがある。

今までのブログを読んでくださっている方ならもうご存知だろうが、私は筋金入りのブスだ。でもやっぱり恋愛をしてウフフアハハと楽しみたいわけである。

友人たちがデート中に撮ったと思われるラブラブ写真をモヤモヤとしながら見ていた時、ふと一つの広告が目にとまった。

 

COUPLES(カップルズ)

 

というアプリの広告だ。なんでも、名前の通り「カップル専用」のアプリらしい。(どうして世の中はブスには冷たく、リア充たちには優しいのだろう?)

不可解な対抗心でメラメラと燃え上がった私は、

 

カップル専用アプリを一人で使うことに決めた。

 

早速ダウンロードし、アプリを起動してみる。

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アプリを開いた瞬間にメンタルがやられた。パートナーから招待されていないどころか、そもそもパートナー自体がいない。門前払いをくらった気分だが、ここで挫けては真のブスの名が廃ると思い、意を決して先へ進む。

 

 

とりあえず名前とか生年月日とか、基本情報を入力。背景画像には通常恋人と撮った写真を使うらしいが、もちろんそんな写真など(この世に)存在しないので、代わりの写真で済ませた。

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…ちょうどいい写真が見当たらなかった。可愛いウサギに免じて許してもらいたい。ウサギながらに複雑な表情を浮かべているところが、私の心情と悲しくも一致している。

 

そして一応、Q&Aにも答えてみる。

カップル用の、たくさんの質問があった。当たり前だが独り身のブス用クエスチョンはただの一つも見当たらない。今後是非作ってほしいと願っている。(まあ無理な話であること位は私にも分かる。)

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相手がいないため、相手が答えるはずの部分は「名前」となってしまった。せめて架空の名前を付けたかった。でも付け方が分からなかったのだ。言い忘れていたが、私は数あるブスのカテゴリーの中でも、「機械に疎い系ブス」に属している。是非覚えておいて欲しい。あと、このクエスチョンに対する私の答えは「手をつなぐ」だ、ご参考までに。

 

 

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また、何か一つアクションを起こすごとに、このような通知が出てくるが、気づかないふりでやり過ごすことにした。

世の中よ、もっとブスに優しくあれ。

 

 

最後にLINEのようなトークも出来ることが分かり、驚いた。念のため、メッセージを送っておいた。

 

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ハートを持って照れている可愛いクマのスタンプも、情熱的なトークも、相手がいないため、既読にはならない。いわば未読フォーエバー状態だ。それでもいつか誰かが見てくれると信じてメッセージを送った。

 

結論:カップル専用アプリは独り身の非リアには向いていない

 

当然である。アプリ開発者のターゲット層から外れまくっているのだから。それでも正直、恋人がいる人にはかなり良いアプリだろうな、と思ってしまった。私もいつかこのアプリを使う日を夢見ている。来世ではクレオパトラ並のとんでもない美人に生まれ変わる(予定)ので、その時に是非利用させてもらいたいと思う。

ブスの甘酸っぱい思い出

私はよく自分のブスさをこのブログで取り上げている。でも、現実世界では決してブスを自称していない。それは何故か?

 

わざわざ自分からブスと言わなくても見れば分かるから

 

である。

普段初めて会った人に対して、「初めまして。私は人間です。」なんて言わないだろう。それと同じ理屈である。

 

しかしそんな私も、中学生の頃は頻繁に「私ブスだからさ」と口にしていた。他人から「ブス」と言われる前にこう言っておくことで、一種のバリアのようになるためである。やられる前にやってしまえ、という先制攻撃のようなものだ。ただしこの攻撃の場合、負傷しているのは相手ではなく自分自身であるが。

 

「私ブスだからさ」という私の攻撃(?)に、良くある反応としては「そんなことないよ~」とか「いやいや~」といったものが挙げられる。ここで私はハッとするのだ。

ブスというだけで周りにある程度被害を与えてきた。にも拘わらず、「私ブスだからさ」発言で相手にブス発言否定の義務まで負わせていたのである。これは相手にとって、まさに踏んだり蹴ったりだ、と思い私は心の中でスライディング土下座をした。

 

しかし「私ブスだからさ」に対し、一人だけ異なる反応を示した強者がいた。ここでは名前を斉藤くんとしよう。(ペッペッペー!で有名なトレンディエンジェルの斉藤さんそっくりだったのだ)

斉藤君は私の発言に対し、

 

何も言わなかった。

 

ホントのホントに、ひっっっとことも発しなかった。

これにはさすがの私も少し動揺してしまう。当時の私はブスであることを否定してくれる発言を無意識下で求めていたに違いない。何も言わずに堂々と目の前に立っている斉藤くんへの対応に困った。

 

困った私は脳内で色々な考えを巡らせる。「もしかして斉藤くんを怒らせてしまったのか?」、「ブス発言が聞こえていなかったのか?」それとも「ブスを自称するタイプの人間に初めて遭遇して斉藤くん自身も困っているのか?」などなど、小さな脳みそをフル回転させたが何も答えは出ない。しまいには混乱しすぎて、「斉藤くんは実は人型ロボット説」まで私の中で浮上した。

長い沈黙の時間が過ぎ、斉藤くんは「あ、トイレ行かなきゃ」と言ってその場を去った。なぜ急にトイレに行くことを思い出したのか(しかも彼はトイレに行くのを義務のように感じているらしい)、全く分からない。斉藤くんがいなくなり、「私ブスだからさ」発言は何の対処もされることなく、私の頭の中を漂った。

その翌日のことである。私はいつものように朝早く登校し、下駄箱を開けた。

上履きの中に何かが入っているのが見えた。

 

使いかけのMONO消しゴムだった。

 

斉藤くんからだ、とすぐに私は分かった。

だって消しゴムの裏にしっかり「サイトウ」というマッキーで書いた文字があったからのだから。

何故だかわからないが、スッキリとして気分になる。もやもやが晴れた気がした。

ありがとう、斉藤くん。

 

ブスは消しゴムじゃ消せないけど。

 

何はともあれ、斉藤くんの優しさがブスを包んだ。感謝である。

 

ディズニーランド値上げに思ふ事

ディズニーランド、ディズニーシーの入場券が値上げされるらしい。

6900円→7400円。貧乏学生にとっては結構辛い値上げである。

 

以前にも

anne135.hatenablog.com

というような記事を書いたことでも分かるように、私にはディズニーに結構たくさんの思い出がある。年に数回は必ず訪れているのだ。

たかが500円、されど500円。

 

500円あったら何が出来るだろうか?

ユニセフに募金

ジブリ映画について語っている時、友人に「飛べないブスはただのブス」なる名言を頂いたことがある。ブスも人間なので基本的には飛べないことを彼女には承知しておいて頂きたいものだ。しかし飛ぶことは出来ないにしろ、どうせブスなら、少しでも人の役に立つブスになりたい、と私は常に考えている。500円の募金は微々たる額かもしれないが、それでも少しは役に立つ。

 

②プリクラを撮る

またまた過去記事に関係することになってしまったが、ブスはプリクラが好きだ。500円あれば、プリクラを1回撮っても100円のお釣りがくる。(この100円はチロルチョコうまい棒で消費することにしよう)

プリクラは人間を夢の世界へ連れて行く。私の場合はブス要素の独走が止まらないので宇宙人のようになってしまうが、大抵の人は実物の数倍可愛く写るはずである。可愛い自分のプリクラを見て、駄菓子を食べて、500円あれば心身ともに満たされるのだ。やっぱり500円って大きい。

 

③誰かにあげてみる

知らない道端で会った人に500円玉をあげてみるのも良いかもしれない。恐らく初めはかなり困惑される。しかも私のようなブスから急に500円を貰うとなると恐怖は倍増するだろう。予期せずお金を貰うという驚きと、ブスに急に近づかれる怖さのダブルパンチである。だから500円をあげた後に、足早に立ち去ってしまうことをおすすめする。逃げてしまえばその500円を返すことは出来ない。つまり貰うしか選択肢がないわけだ。

貰った側はにはじわじわと嬉しさがこみ上げてくることだろう。突然、何もしていないのにお金を貰える嬉しさったらない。いわば不労所得みたいなものだ。しかも、「この前歩いてたら急に500円玉渡されてさ~」と周囲の人に話すネタにもなるというおまけ付き。最高ではないか。

 

このように500円あれば色々なことが出来る。自分が幸せな気持ちになることも、人に幸せを与えることも出来るのだ。

ちなみに私はそれらの幸せからは目を背けて、ディズニーランドに行くことにする。

今年も準備万端!ブスのバレンタインヒストリー

今週のお題「バレンタインデー」


バレンタインデー。

想いを寄せる人に告白する日。


私は子供の頃から、毎年のように誰かしらにチョコレートをあげてきた。小学生の頃までは、バレンタインデーの目的が「好きな人にチョコを渡す」ことだったと思う。だから渡せたらハッピー。そこで終了。だって渡す以外に目的なんてなかったから。


でも年を取ってくると、やっぱり「告白」っていうメインイベントの存在に気づいてしまう。でもブスなシャイガールだった私は「付き合って」はもちろん、「私のこと好き?」とさえ言っていない。ただ好きだと伝えてチョコを押し付け、猛ダッシュで逃げるように走り去る。(走っているときに後ろから「ごめん、無理…」という男子の声が聞こえていたのは内緒。)


でも昨年のバレンタインは一味違ったのだ。

絶対に彼を射止めてやる!って結構前から鼻息荒く意気込んでた。

告白の言葉も毎日呪文のように唱えて練習したし、イメージトレーニングばっちし。なんなら付き合ってからの妄想までばっちし。

ただ自分の力だけでは少々不安もあったので、奮発してGODIVAで5000円以上するチョコレートを購入。高級チョコの力を借りれば完璧だ。私は絶対的勝利を確信する。


いよいよバレンタイン当日になり、好きな人にメールをした。


「授業後に正門近くに来れるー?」


あくまで自然に。チョコを渡すのがバレないように。自然さを心がけた結果、普段避けている「ら抜き言葉」を使ってしまったが、まあ致し方ないだろう。実を言うとこの一行を考えるのに数時間を費やした。ドキドキ。ブスはあまりの興奮に武者震いしていた。


返信は、来なかった。

そうなるともう、勝手に校門で待つしかない。(その頃の私にはストーカーという概念は無かった、ということにしておこう。)

告白の言葉を再び脳内で反芻した。最後の予行練習だ。それでも不安に駆られ、トートバッグの中に入っているチョコレートを見つめる。大丈夫、私にはGODIVAがある。こんなときのGODIVAはどんなお守りよりも効果があるようにと感じられた。


数時間位経ってからだろうか。

彼の姿が見えた。ださいセーター、ださいチノパン、ださいリュックサック。

いつもの彼だ、と思った。彼が校門に近づいた時、彼の後輩の女の子が彼を呼び止める。

予想外の展開に心の中は大パニック。だけど平静を装って「スマホゲームに熱中していて周りが見えてない人」のふりをした。いつも可愛いと感じていたはずのツムツムのキャラクターたちがやけに憎たらしい。


彼と女の子は長い間話をしていた。私は寒さとツムツムのやりすぎで指が攣りそうになりながら、その光景を見ている。

だけどそのうち居てもたっても居られなくなって、静かにその場を後にした。


携帯が鳴る。彼からだった。

「今メール見た。ごめん、彼女と話し込んでてさ!」

私が「もしもし」という間も無く、彼は楽しげにそう言う。彼女持ちだった。


何度目の失恋だろう?

ただ唯一救いなのは、ブスは失恋に慣れているということだ。慣れってすごい。

私は電話を切るとすぐにチョコレートを取り出し、それを頬張った。こんな時でもGODIVAは美味しい。そして彼のださい服装を思い出して、一人で笑った。(通りすがりの男子高校生は私のつけている骸骨ネックレスを笑っていた。)


告白の返事は二つしかない。

「YES」と「NO」である。

それだというのに今までの人生、告白する度に相手から「NO」だけをうまい具合に(?)引き出してきた私のテクニックを認めていただけたら嬉しい。なかなか出来ることじゃない、と自負している。


もしかしたら心優しい人が、今年のバレンタインもフられるのでは、と心配してくれるかもしれない。

でも、心配ご無用、今年も作戦はばっちりである。カンペキ。バッチグー。

続報を待て!






嫌よ嫌よも好きの内

突然だが、私はスターバックスコーヒーが大好きである。貧乏学生で日々の食事を切り詰め、洋服の購入さえ控えているのに、ついスタバに入ってしまう癖があるのだ。

今日も大学で授業を受けた後、一息つこうとスタバを目指した。いつも行く駅近くのスタバに到着する。私は扉を開け、そして閉めた。

いつもと違う。

私は只ならぬ違和感を感じていた。何故ドアを閉めてしまったのかは自分でもよくわからないが、自己防衛能力のようなものが働いたのかもしれない。
もう一度ドアへ開けて、中に入る。
いつもと同じ主婦店員さん。いつもと同じメニュー。いつもと同じ店内装飾。いつもと…!!!私はここで違和感の正体を知った。

新しいバイト(と思われる)店員が増えていたのである。

イケメン店員。

実はイケメン店員が苦手、というブスは私以外にもいるのではないか。というかいてくれたら嬉しい。もちろん、イケメンを見るのは好きなのだ。
でも会話をするとなるとまた話は別。
「いらっしゃいませ!」と微笑まれただけで、何故だか悪いことをしたような気になって謝り倒してしまう。そして「ご注文お伺いします」と続けられれば私の中の時限爆弾が勢いよく破裂する。ゲームオーバーだ。

ただ店に入ってしまった以上、何もせずに出るのはかなり怪しい。ブスがドアを開けたり閉めたりしているだけで充分周りから視線を独り占めしていたのに、ここでまた変人となってしまっては困る。私は意を決してレジへと向かった。

顔を上げると目の前にイケメン店員がいた。新人ということもあり、向こうもかなり緊張しているのが見て取れた。(ちなみに彼の隣にはレジ操作を教えるためかベテランのパートさんが付いていたが、私には目の前のイケメン以外見えていない。)

「キャルメルフラッペチノクダ…サイ!」

ドキドキが高まっていた私は、勢いよく噛んだ。自分でも驚くぐらい、噛んだ。
彼は困惑しながらも、「オ…オーケー。ホワット、サイズ?」と聞いてくれた。
私のあまりの噛みっぷりから、日本人ではないと判断されたらしい。隣にいたパートさんは常連の私を知っているため、大爆笑。イケメンはなぜパートさんが笑っているのか分からず、さらに混乱。私はひたすら顔を赤くしていた。そしてイケメンの顔を立てなきゃ!という変な使命感に駆られ、自分は中国人として通すことにした。

とはいってもさすがに中国語は話せないため、英語で話すことにする。
結果、「スモール、ポルファボール…」と英語とスペイン語の混ざった返答をしていた。その後はただただ黙って、会計をした。

恥をかいてしまったが、イケメンの顔を汚すことなくその場を乗り切った。
と思い、私は一種の満足感を覚える。

私は赤いランプの下でドリンクが出来るのを待つ。するとレジの方でパートさんとイケメンが笑いあっているのが見えた。笑い合っている、というよりは腹を抱えて笑っていると言った方が良いだろう。すぐに私の本性(といってもただ日本人である、ということ)がバラされているのを悟った。ドリンクを受け取り、逃げるように店を出る。グッバイ、スターバックス

そういえば駅の反対側にはタリーズがあった、とふと思いだす。私は新たな居場所を見つけた。

ブスがイケメンと触れ合う3つの方法

猫と戯れたければ、猫カフェに行けばいい。
小動物を愛でたければ、ペットショップや動物園に行くだろう。なんなら自分で飼ってしまってもいい。
では、イケメンと触れ合い場合には、どうすればいいのだろうか?

ブスの素朴な疑問の一つである。
「イケメンの彼氏を作ればいい」という一般的な答えは、私のようなブスには実現が相当困難であることを心得てもらいたい。ラクダが針の穴を通るより難しい、とはこのことである。
そこで私は幾つかの代替案を考えてみた。
ちなみに「ホストに行く」というのは想像するだけでもブスにはハードルが高すぎたため、今回は除外させていただく。

①まだ売れていない男性アイドルの握手会に参加する(難易度★)
これは実現がとても容易である。まだ知名度が低い男性アイドル(俳優でも可)の握手会に行けば、誰でも当然のようにイケメンに触れることが出来る。本やCDの発売記念握手会は頻繁に行われているので、まずはネットで探してみよう。ブレイク前のアイドルなら、比較的簡単に握手会参加券が手に入るだろう。ただしこの方法だと、握手会参加券や発売される本・CDの購入代金が意外とかさむので注意が必要だ。

②レンタル彼氏を利用する。(難易度★★)
昨年あたりにメディアでも話題になった、レンタル彼氏の制度。これはホストに比べれば断然敷居が低い。しかしそれでもある程度の勇気は必要という事で、難易度は星2つとさせて頂いた。レンタル彼氏では、夜のイメージがなく、爽やかな男性キャストとのデートが期待できる。ジャニーズ系の男性を多く揃えている、と謳うレンタル彼氏店も有るらしい。また、飲み物の回し飲みや軽いハグもOKとするところが多く、ブスには嬉しすぎるサービスである。ちなみに筆者はまだレンタル彼氏を試したことがないが、非常に気になっている。誰か最後の一押しをしてほしいと願う日々だ。
金銭面では、多くの女性にとってかなり厳しい。スイーツとか、美味しいディナーとか、何かを犠牲にしてレンタル彼氏資金を貯められる人にはおすすめ。

③もはや偶然の機会を願う(難易度?)
街に出た時、周りを見回してみてほしい。そうすると意外と見つかるのではないか、そこそこのイケメンが。
「そこそこのイケメン」とブスが形容するのはおこがましいが、いわゆる中の上みたいなイケメンが結構いるはずである。レストランの店員だとか、たまたま街ですれ違った人だとか、バイト先のお客様とか。
そんな人との事務的なやりとりや、偶然の触れ合いにトキメキを感じよう、というわけである。ちなみに私は先日エレベーターに挟まれかけた時に、閉まるドアを押さえようとしたイケメンと偶然手がぶつかった。そしてその思い出をおかずに、白米を茶碗3杯平らげた。
日々の小さなイケメンとの接触を、大きな喜びとして心に留めよう。そしてその思い出を反芻して楽しもう。

以上の3つが、今のところ思いつく方法である。意外と実現可能なものが多いと感じたのではないだろうか?この記事が少しでも誰かの役にたてば、幸いである。


眠れる森のブス

私には幼い頃から今に至るまで、たくさんのあだ名が付けられてきた。
「ブス(The ストレート)」、「ヤマンバ(寝癖全開の髪を見て言われた)」、「13点(100点満点中の私の顔面点数らしい)」、「パセリ(みんなに避けられるから)」などなど思い出せるだけでも多数ある。どれを見ても多かれ少なかれ、中傷されているような気がするが、まあ良いだろう。

そんな中、唯一キラキラと光り輝いているあだ名があった。
「Sleeping Beauty(=眠れる森の美女)」である。ちなみにこれはたった1人にしか呼ばれていない。当たり前である。Beautyではないことは明白だからだ。しかし彼は私をそう呼んだ。
その人はアジアから日本語を勉強するために日本に留学していたアジア人である。友人に、「Anneは変わってるから外国人との方が仲良くなれるんじゃない?」と言われたため、その友人の知り合いであるアジア人に会うことになった。
私はその人を心の中で「ニットキャップくん」と呼んでいた。理由は単純。彼が会うたびに黒いニットキャップを被っていたからだ。
彼は初対面から何故だか私をいたく気に入っていた。基本、ブスは初対面で嫌われることが多いため、とても新鮮。彼の美の概念はトチ狂っているのかもしれない、と失礼ながら思った。ニットキャップくんは私に毎日電話やメールをしてくれた。内容は本当にどうでも良いこと。「今日は何を食べた?」とか「どんな本が好き?」とか。

初めはとても嬉しかったのを覚えている。しかし時が経つにつれ、その頻繁な連絡が鬱陶しくなった。だから私は毎晩連絡を返さず、翌朝に「ごめん!寝てた」と返していた。とてもありがちなウソである。
それをニットキャップくんはすっかり信じ、いつの間にか私を「よく寝る人」として認識していた。そこから彼が私に付けたあだ名が、「Sleeping Beauty」だったわけである。初めて呼ばれた時には誰のことかわからなかったし、まさか自分のことだなんて全く思わなかった。でも呼ばれて悪い気はしない。

結局彼は、すぐに自分と同じ国出身の留学生の彼女を作った。それから頻繁な連絡はピタリと止み、それはそれで少し寂しく思っている自分がいた。ブスの青春は短い。

そんなことがあってから数ヶ月。彼から久しぶりにメールが来た。
そこには「眠れる森のブスへ」から始まる文章が綴られていた。なかなかうまいこと言えている。私は悲しみとともに、彼の日本語能力の上達を感じていた。
眠れる森のブス。正直私に合っていて、割と気に入っている。