anne135のブログ

もうアラサーです。モテないアラサーの独り言。多分フィクションです。多分…。

ゆらゆら揺れて

今週のお題「大人になったなと感じるとき」

 

お題について、今回は真面目に書いてみる。

 

よく晴れた日、近所の小さな公園を通りかかった。

平日の昼間で子供は学校に行っているせいか、公園には誰もいない。

 

そんな中、風でゆらゆらと揺れるブランコ。

 

そのブランコにかすかな寂しさ、そして懐かしさを覚えた私は公園に入り、ブランコに近づいた。

 

たまには子供の頃に戻って、ブランコで遊ぶのもいいかもしれない。

 

そんな気持ちでブランコに手をかけようとした、その時。

私の手はブランコを掴まずに止まった。

 

ブランコが錆びていたのだ。

正確に言うと、ブランコの手で掴む部分のチェーンが錆びて、赤茶色くなっていた。

それを見た私は、反射的にブランコに触れることを諦めた。

 

「これが大人になるということか…」

 

その時私はそう悟ったのだ。

 

子供の頃の私なら、手が汚れることなど厭わずに、迷わずチェーンを掴み、ブランコを楽しんでいたはずだ。

 

でも今はどうだろう。

錆が手につくことを嫌い、結局何もせずに公園を離れてしまった。

手が汚れるのは嫌だな、服や鞄に錆がついたら落とすのは大変だな、頭の中はそんなことでいっぱいだったのだ。

 

物事の本質に触れることなく、その前の小さな障害によって物事を諦める、私はいつのまにかそんな大人になっていた。

 

私が触れなくても風で揺れ続けるブランコを見ながら、私は自分自身に寂しさを感じていた。