よーい、どん!
こないだ、夜道で思わぬものを拾ったので、そのお話を。
昔からの知り合いと終電まで飲んで、気分良く駅からおうちまでスキップしてたんですよ。
もう超上機嫌でなんなら鼻歌とか歌っちゃって。アラサーなのに鼻歌がアンパンマンマーチなのが悲しいけど。
そうだ、恐れないで、みーんなのたっめっに、愛と勇気だけが友達さ〜♪って歌いながらスキップしてました。鼻歌、というか熱唱。
そしたら突然、花壇の中にいる人と目が合った訳です。まずね、「花壇の中にいる人」って表現がおかしいのは分かってるんだけど、ほんとに花壇の中にいたからそう言うしかないんだよね。おじさんと言うには老けてるけど、おじいさんと言うには若い、男の人。
花に紛れておじさんが座り込んでて。
咄嗟に目を逸らそうとしたんだけど、何故か私の目はおじさんに釘付け。
おじさんもおじさんで「お姉ちゃんどこ行くの〜?」って私に声をかけて来た。私のことをちゃんと女として認識し、さらに「お姉ちゃん」と呼んできたので、悪い気はしないです。合格。
「大丈夫ですか?起きられます?」
花壇の中のおじさんに話しかけてみると、「大丈夫。バッチグーよ。でも起こすの手伝って」って言ってきたので、おじさんを抱えて起こしてあげた。
まじで私ちょーいい人では??なんて思った。
でもせっかく起こしたのに、おじさんは私の手を離してくれなくて、なんなら抱きついてきて、あれ、これちょっと様子がおかしいぞ、って。これ完全に痴漢的なやつだぞ、って。
抱きつかれたままじゃ困るからとりあえず強めに押し返したんだけど全然離れてくれない。まじでスッポン並の力で食いついて離れない。
もうどうしようかパニクって、とっさに出た言葉が「あの、私、男なんですけど!!!」でした。
意味わかんない嘘をついた私におじさんが返してきた言葉は、「…男でも…いい!!!」でした。
どっひゃー。あからさまな嘘を信じた上で性別の壁を越えてきた。
結局10分以上はハグされたまま話してもらえず、隙をついて逃げました。
小学生ぶりの全力疾走。
背後からはおじさんの「覚えてやがれーーー!!!!」という怒号。怒られる筋合い無いわ!そして忘れたくても忘れねーわ!
神様、こんなサプライズいらないから、
私に彼氏か100万円ください!!!!!!