(負の)連鎖は続くよ、どこまでも!
私は視力が悪い。両目合わせても0.3位しかない。
ピエロの小さな喜び
悪夢のプレゼンテーション
「プレゼンテーション」というものを初めて知ったのは、中学に入学してすぐの頃だった。
アラビアンロックのプリンセス
「アラビアンロック」という面白いレストランがあることをつい先日知った。友人曰く、アラジンをコンセプトにしたレストランで、異国情緒溢れる雰囲気が魅力とのこと。そしてそのレストランは数年前にものすごく流行ったとのこと。
私は流行にかなり疎い。もはや流行側が私を避けているんじゃないか?と勘違いしてしまうほど、疎い。それでもアラジンの世界を体験できるレストラン、というのは確かに面白そうである。私はすぐにアラビアンロックの予約を取った。
その日の夜、アラビアンロックを訪れるために新宿へ向かう。
「どんな感じだろう?楽しみだねー!!!わくわくぅ〜!!!」なんて心の中で言いながら、レストランを目指した。ただ、実際に声に出しているわけではない。だって一人なんだもの。つまり、一見したら無言でニヤついているただのブスである。
断っておくが、友人もちゃんと誘ったのだ。しかし「ペットの世話があるから」というなんとも言えない理由で無情にも断られてしまった。しかも犬なのか、猫なのか、はたまた何か違う動物なのか。ペットが何であるかすら教えてくれることもなかった。謎のペットに私は負けた。なんならウーパールーパーかもしれない。
一人で無事にアラビアンロックに到着。店内に入るには、店の外のランプをこすり、「開けゴマ!」と叫ぶように、との注意書きを見つけた。
一人で初めて訪れた場所で叫ぶなんて、罰ゲームみたい。だが、もちろん私は躊躇なく叫んだ。「そういうの大丈夫系ブス」である。精神が図太い。
「開けゴマァーーーーーーー!!!!」
扉が開いた。中の待合室のようなところで、ラクダに乗る男のアニメ映像を見せられた。特にストーリーも無かったが、ラクダを見て「アラビア感」は感じた。
暫くすると店員さんが来て、マジックを見せてくれる。「わー!」とか「すごーい!」とか言って、可能な限りテンション高く振舞ってみたが、一人である虚しさはアップした。店員さんの笑顔が引きつっている。苦しみに耐え、私もレベルアップした。
部屋に着き、早速注文。一応個室なので、周りをあまり気にしなくて良いのが嬉しい。
そして料理も美味しい。正直全くもって期待していなかったが、なかなか良い。
友人と楽しく「アラビア気分」を楽しむはずが、まさかの「砂漠でひとりぼっち体験」のようになっていることはさておき、料理の美味しさに笑みがこぼれた。
突然、バースデーソングが流れた。誰かの誕生日を祝っているのだろう。
すぐにプレゼントと小さな花束を持った友人たちが登場した……私の個室に。
言っておくが、私の誕生日から半月以上過ぎていた。完全なる、れっきとした(?)部屋間違いである。相手が酔っていたせいだろう。
驚く相手。驚く私。
謝罪しながらも笑いが堪え切れない相手。
危うく涙ちょちょぎれそうな私。
彼女たちはすぐに帰るべき場所(隣の個室)に帰っていった。
涙のせいか料理が少しだけしょっぱく感じられる。
彼女たちが残していった、パーティグッズを手に取った。クラッカーだ。驚きのあまり、さっき一人が落としていったのである。
私は紐を引き、パン!とクラッカーを弾けさせた。砂漠の真ん中でのろしを上げている自分を想像してみる。その音を聞いて、誰か助けに来てくれることを願った。しかし、私の元に来たのはレシートを置きに来た店員だけであった。アラビアの夜は更けていく。
もしも絵が上手く描けたなら
こういう話もいいじゃない
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バレンタインのいいまつがい
エリザベスカラーのことだったのである。
犬や猫が怪我や手術をした際に、その傷口を舐めないようにするときに使う、エラザベスカラー。
お婆さんにエリザベステイラーではなく、エリザベスカラーだと伝えた。お婆さんは特に驚く様子もなく、「ああ、エリザベスカラーね、はいはい。」と言った。そして私じゃ話にならんとばかりに、近くにいた店員を呼び止めて、どこに行けばいいかを尋ねている。
「エリザベステイラーってどこですかね?」
私は、せっかくの苦労がわずか数秒のうちに水の泡になっていく光景を目の当たりにした。
店員さんは困惑している。私はその店員に近づき、エリザベスカラーのことだと説明してからその場を離れた。
そして、なぜあのお婆さんはエリザベスカラーをデパートの食品フロアで探していたのかと考えながら店を出たのである。